顎関節症は、食事をする時に顎が"ガクガク"鳴ったり、口をあける時に痛くなったり、時には口が開かなくなります。
顎関節症には様々なタイプがあります。
筋肉、周りの組織、関節内の軟骨、骨、その他などのタイプです。
音がカクカクいうのは、軟骨に症状が出ているということです。
あなたは、こんなことございませんか?
チェックしてみましょう!
- 顎関節音がする
- 肩こりがひどい
- 首筋が痛い
- 腰痛がひどい・偏頭痛がよくする
- 顔が曲がってきた
- ほおづえをよくつく
- 耳鳴りがしやすい
- 歯ぎしりをよくする
- 咬み合わせがよくない
- 片方の歯だけでよく咬む
- 歯科の治療を終えてから調子が良くない
吉本歯科医院では顎関節症の治療に補綴歯科治療である「スプリント治療」を行っております。
例えば、顎関節がはずれている場合、スプリントというプラスチック製の装置や治療用義歯を口の中に入れ、顎がそれに適応し正常な位置に戻るようにします。
また、かみ合わせ異常により痛みがある場合にも一時的にかみ合わせを修正したマウスピースを装着することにより顎の関節に対する負担を軽減し、全身の症状を軽減します。
Step1
現在の症状、お痛みなど全身の症状すべてをお聞かせ下さい。
まずお痛みがある部分から診察し、口腔周囲筋などの触診を行います。
レントゲン写真、口腔内写真を撮影します。
顎運動解析検査
口腔内模型を採取します。
全身咬合・疾患問診表の記入をして頂きます。
必要に応じて、顎運動検査・重心動揺検査を行います。(全身咬合)
顎関節症などの患者さんは咬む位置を診るだけでは検査不可能です。顎は常に動いて物を咬んでいます。この動きに異常が出てくるのが顎関節症で、顎の開閉時に音がする(クリック)や開閉運動に異常軌跡や開閉速度等に異常が出てきます。当医院ではその顎運動を解析し正常に機能するように考え治療していきます。
(山下敦、矯正治療の咬合改善に必要な咬合の理解とその実際 日本矯正歯科学会大会セミナー 10,2005)
重心動揺検査(グラビコーダ)
歯の咬み合わせが良くない時それは体全体のバランスに影響が及び、身体バランスが崩れていきます。咬合異常による身体バランスの崩れを重心動揺軌跡および重心位置として観察出来る重心動揺計(グラビコーダ)を用いることにより、咬合異常の程度評価を日本人健常値スタンダードデーター2200人との比較評価出来ます。当医院は見た目の咬み合わせを治すだけでなく全身的な咬合を考えて治療していきます。(噛みしめが重心動揺に及ぼす影響に関する研究 顎機能誌4,1998)
Step2
「母親教室」(無料)を聞いて頂きます。
開催日はホームページ或いは電話にてお尋ね下さい。
10名定員ですので、お電話にて予約頂ければ幸いです。
- 場所:吉本歯科医院2階
- 時間:PM 1:00~2:00
- 吉本歯科医院 Tel: 043-292-6480
この後、定期的に調整にご来院頂きます。
Step3
スプリントが必要と診断された場合は、ご相談により歯形を取っていきます。
診断のご説明をさせて頂きます。顎の位置を正常に戻すスプリントの装着を行います。
この後、定期的に調整にご来院頂きます。
スプリントを装着した後は、患者さまおひとりおひとりにより症状や容態が異なりますので、症状に合わせた治療をすすめていきます。
一言にスプリントといっても当院では患者さまお一人お一人の症状や目的にあわせて3種類のスプリントを使いわけています。
当医院で下顎に用いるスプリント
食べること健康の基本です。よくかんで食べる「そしゃく」には消化を助けるだけでなく、あごや顔の発育を促し、脳への血流を増すといった効果があります。
かむためには正しい歯のかみ合わせが必要でそれを実現するのが「矯正治療」及び「補綴歯科治療」です。詳しい補綴歯科治療については日本補綴歯科学会HPをご覧下さい。
マイオモニター
(顎の筋肉のマッサージして、リラックスした状態にする機械です。)
Step4
歯並び等が原因で顎関節症を生じている症例では矯正治療と併用することで筋肉的に安定した咬合を作り上げます。
症例1
下顎大臼歯が近心傾斜することで垂直的咬合高径が低くなり顎関節症を起こしている患者さんです下顎大臼歯を整直させることで咬合を高くし、右側上顎大臼歯を遠心移動することでⅠ級関係の確立を図った症例です。
治療後の下顎大臼歯の歯軸は整直しています。
症例2
間引きをしない成人矯正治療(乱くい歯)
上顎の前歯部及び右上第二大臼歯(奥から2番目の歯)がずれていることにより、下顎が左に変位、左の顎関節症となっていく患者さんです。腰痛・頭痛などの不定愁訴また、乱くい歯により歯槽膿漏も伴っています。通常なら4本永久歯の間引きを伴う矯正を勧められると思いますが、当医院では永久歯を抜かず、歯槽膿漏の治療を併行して行いました。不定愁訴も改善され大変満足されました。
治療前(初診時) 36歳
治療後 39歳
症例3
下顎の中心が右へ4㎜ずれている為、顎関節症を訴えている患者さんです。当医院では永久歯を1本も抜かない矯正により正中も合わせ不定愁訴も改善されました。
治療前(初診時) 25歳
治療後 28歳
第20回 日本全身咬合学会学術大会
平成22年12月11-12日 タワーホール船堀
ポスター発表しました。
不定愁訴を伴う顎関節症患者にスプリントと矯正治療を行い機能回復した3症例
○吉本 彰宏 医)彰美会 吉本歯科医院(千葉市)
【目的】頭痛、耳鳴り、肩こり、腰痛等の不定愁訴を訴える顎関節症の患者に、下顎にスプリントを装着することで下顎の筋肉安静位を模索し、矯正治療にて咬合の構築を行う。今回、術前と術後の変化に改善が認められたケースのうち3症例を報告したい。
【方法】相反性クリックおよび不定愁訴を伴う患者にスプリントを装着し、良好な下顎位(筋肉位・顎関節位)へ誘導する。顎関節症状および不定愁訴等が改善された後、矯正治療に移行する。治療前後で全身疾患に関する問診表に記入してもらい、また、機能的・形態的変化および不定愁訴の変化に対して比較検討する。
症例1:初診時年齢25歳1ヵ月の女性。5年前より左右顎関節部にクリック、頭痛、肩こりを認めた。口腔内所見として上顎がV字歯列、左側側方歯群はクロスバイトを呈する。大臼歯関係は右側AngleIII級、左側II級。overjet+2㎜、overbite+2㎜。Arch length discrepancy(ALD)は上顎-5㎜、下顎0㎜。
症例2:初診時年齢31歳4ヵ月の男性。4年前より左側顎関節部疼痛、肩こり、腰痛が著しく、他院作成のスプリントを使用するが改善されず。口腔内所見として、大臼歯関係は両側AngleII級2類で上顎の前突を認める。overjet+3㎜、overbite+8㎜。ALDは上顎-1㎜、下顎-3㎜。
症例3:初診時年齢12歳3ヵ月の女性。1年前より両側顎関節部にクリック、疼痛と耳鳴りを訴え口も開きづらい。口腔内所見は上顎中切歯が著しく舌側傾斜し、大臼歯関係は両側AngleII級2類で下顎骨の後退を認める。overjet+6.8㎜、overbite+9.3㎜。ALDは上顎-12㎜、下顎-4㎜。
【結果】症例1は、スプリントによる治療期間4ヶ月、その後矯正治療期間2年6ヵ月である。1期治療は、上顎に3D?Quad Helix(3DQ)1年1ヵ月、下顎に3D?Lingual Arch(3DL)を7ヵ月使用した。2期治療はフルブラケットシステム(FBS)を1年2ヵ月使用した。抜歯部位は18?28?38?48である。
症例2は、スプリントによる治療期間5ヵ月、矯正治療期間2年11ヵ月である。1期治療は、下顎に3DLを7ヵ月使用した。2期治療は上顎に3D?Maxillary Bimetric Distalizing Arch(B.D.A.)を3ヵ月、FBSを1年2ヵ月使用した。抜歯部位は18?28である。
症例3は、スプリントによる治療期間6ヵ月、矯正治療期間3年6ヵ月である。1期治療はサービカルヘッドギア(HG)6ヵ月、下顎に3DLを7ヵ月使用した。2期治療は上顎にB.D.A.を1年4ヵ月、FBSを1年2ヵ月使用した。抜歯部位は18?28である。
【考察および結論】不定愁訴を訴える顎関節症の患者にスプリントを装着し、下顎の筋肉安静位を模索した後、全ての症例において矯正治療とMFT(口腔周囲筋機能療法)を行った。その結果、舌習癖・顎関節症状及び不定愁訴等の改善、口腔及び歯列の形態的・機能的咬合の回復が得られた。その後、保定及びメインテナンスを継続していくことが咬合の重要性を考慮した全身機能の回復になると考えられる。
2010-12-11/12 日本全身咬合学会学術大会出席・ポスター発表
2011年4月15日 千葉県歯科医師会ポスター展示
不定愁訴を訴える顎関節症患者に矯正治療を併用し
機能回復した2症例
医)彰美会 吉本歯科医院 吉本 彰宏(千葉市)
はじめに
不定愁訴を訴える顎関節症の患者に、ハードタイプスプリントを装着し下顎の筋肉安静位を模索する。不定愁訴の改善後、矯正治療にて機能的・形態的咬合の確立を行い、QOLの向上を得られた2症例を報告する。
症例1
初診時 31歳4ヵ月
動的治療終了時 34歳3ヵ月
初診時年齢 31才4ヵ月 男性 | 治療前後 臼歯部 アングル関係 | 治療前後 犬歯部 アングル関係 | 治療前後 over-jet (mm) over-bite (mm) | 切歯部 最大 開口量 (mm) |
動的治療期間 2年11ヵ月 | 左Ⅰ級 右Ⅱ級 ↓ 両側Ⅰ級 | 両側Ⅱ級 ↓ 両側Ⅰ級 | oj 3 ob 8 ↓ oj 2 ob 2 | 42mm ↓42mm |
ハードタイプスプリント
を用いて顎位の改善と不定愁訴の改善を行う。
上顎大臼歯遠心移動装置の装置の一つである
バイメトリック ディスタライジング アーチ(以下BDAと略す)
を用い、臼歯関係の改善と咬合挙上を行う。
治療方法と使用装置